きょうのことばセレクション

専決処分

2024.3.1(金) 掲載
 自治体の予算や条例は住民の代表が集まる議会で議決するのが本来の姿。そうした重要な案件を議会を通さずに、都道府県知事や市区町村長が決定するのが専決処分だ。この仕組みを適切に使えば行政の停滞や遅れを避けることができる。
 迅速な対応が求められる災害時などに活用することが多い。1月1日に起きた能登半島地震では例えば富山県が112億円の補正予算をまとめた。新田八朗知事は「被災者への生活支援と地震で被害を受けた公共インフラの迅速な復旧に必要」と説明した。
 乱用はできない。地方自治法179条は「特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」と条件を明示している。あくまで例外というのが法的な位置づけだ。これとは別に、議会からのあらかじめの委任に基づく「軽易な事項」の専決処分も地方自治法180条が定めている。比較的少額の損害賠償や契約額の変更などが典型だ。
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