きょうのことばセレクション

量的引き締め(QT)

2024.3.1(金) 掲載
 金融政策の手段のひとつ。英語で「Quantitative Tightening」の頭文字をとった略称。中央銀行が国債など保有する資産を売却したり、満期を迎えた債券の再投資を停止して償還させたりして、バランスシートを段階的に圧縮すること。市中からマネーを引き揚げ、景気の過熱や行き過ぎたインフレの抑制を図る。
 米連邦準備理事会(FRB)は新型コロナウイルス禍で米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を大量に買い入れ、市中に資金を供給する量的緩和(Quantitative Easing=QE)をしていた。米国でインフレが深刻になるなか、2021年11月に量的緩和の縮小(テーパリング)を決め、22年3月に利上げ、6月にはQTに着手した。9兆ドル弱まで膨らんだ資産を段階的に圧縮している。
 中央銀行は利上げと同時に資産圧縮を実施することで、二重の引き締めとしてより強力な物価抑制を狙う。中銀から金融市場に債券が放出され、債券の供給過多になり需給が悪化しやすくなる面もある。
量的引き締め(QT)