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後工程

2024.5.7(火) 掲載
製造装置・素材、日本に強み
 半導体を最終製品に仕上げる工程を示す。シリコンウエハーをチップの形に切り分け、基板の上に固定して配線し、保護材で封止する。その上で、検査装置で正常に動くかどうかを確かめる。ウエハーの表面に回路を描く「前工程」に対して、後工程と呼ぶ。
 半導体はこれまで回路の線幅を微細にすることで性能を高めてきた。最先端品の回路線幅が数ナノ(ナノは10億分の1)メートルまで細くなったころから物理的な限界が指摘されるようになった。台湾積体電路製造(TSMC)など大手各社は半導体の性能向上を続けるため、複数の半導体チップを縦方向や横方向につなげる後工程の技術開発に取り組んでいる。
 日本企業は後工程の技術革新に必要な製造装置や素材のシェアが高い。チップを切り分ける装置ではディスコが世界シェアが7割で、TOWAは樹脂で封止する技術で先行する。基板ではイビデンと新光電気工業が高い技術力を持つ。素材では研磨剤や感光性フィルムを手掛けるレゾナック・ホールディングスや封止材を手掛ける住友ベークライトなどが存在感を示している。