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統合抑止

2024.4.11(木) 掲載
中国対峙、多国間で
 バイデン米政権が掲げる安全保障の基本戦略で、同盟国や同志国と協力して脅威に対峙する概念を指す。軍事面だけでなく経済制裁や外交的圧力などあらゆる手段を動員して国際秩序を脅かす国への抑止力を働かせる。中国の脅威が増大し、米国単独で向き合うのが難しくなったことが背景にある。
 米国はこの戦略に基づき、2021年に英豪とインド太平洋の安保に関する枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設した。日本も技術面で協力する見通しだ。日米豪印の「Quad(クアッド)」の首脳会議もこの文脈で連携を深めている。米国はこれから韓国やフィリピン、ニュージーランドなどとの協力も探る。
 日本も米国の統合抑止の強化に足並みをそろえて防衛力強化を進める。24年度末までに陸海空自衛隊の部隊運用を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を設ける。今回の日米首脳会談では在日米軍の機能強化に基づく日米の指揮統制の連携拡大を取り上げる。