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中途採用

2024.4.8(月) 掲載
ITやコンサル需要強く
 他社での就業経験がある人を採用すること。各社はグローバル化などで変化が激しい環境に置かれている。特定のスキルや経験を持つ人材を機動的に採用することで、ビジネスを円滑に進めようと採用に力を入れている。パーソルキャリアによると中途採用求人倍率は2019年2月に1.23倍だったが、24年同月は2.67倍になった。業種別ではIT・通信(7.55倍)やコンサルティング(7.96倍)、人材サービス(8.11倍)などが高かった。
 大卒などの新卒採用市場の縮小が中途採用を後押ししている。文部科学省によると40年の大学進学者数は51万人と、22年の8割程度の水準まで大幅に減る見通しだ。大学進学率は低所得世帯向けの奨学金拡大などにより上昇するものの、構造的な少子化でこれまで比重の高かった新卒一括採用に頼るのは難しくなっている。
 最近ではパナソニックホールディングスや日本製鉄などが退職した人を呼び戻す「アルムナイ(卒業生)採用」を導入する。企業側がオンライン上で求人情報を提供。人事担当者などが元社員と直接やり取りできる。ただ、一括採用が主流の新卒人材に比べて、中途人材は給与などの待遇面や人材育成の制度が整っていないケースが少なくない。中途人材の受け入れ体制をいかに構築できるかが、企業の競争力を左右しそうだ。