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株式分割

2024.4.2(火) 掲載
投資金額下げ買いやすく
 すでに発行している1株を複数の株式に分けること。企業の価値は変わらないため、株式総数が増えた分だけ株価は安くなる。これに伴って株式を買うのに必要な最低投資金額も下がる。投資金額が限られる個人でも買いやすくなる。東京証券取引所は2022年、個人が投資しやすい環境を整えるため、最低投資金額が50万円以上の企業に株式分割を検討するよう求めた。
 企業が個人株主の獲得に注力するのは、アクティビスト(物言う株主)の存在感が増すなかで安定株主になってもらいたいとの思惑がある。株主総会資料などの電子化が進み、株主が増えてもコストがかかりにくくなったことも後押ししている。東証などによると、22年度の上場企業の個人株主の保有比率(金額ベース)は17.6%と前年度から1ポイント上昇し、個人投資家の日本株離れに歯止めがかかっている。
 ニッセイアセットマネジメントの吉野貴晶投資工学開発センター長が17年4月以降に株式分割した銘柄の株価騰落率を調べたところ、発表翌日に東証株価指数(TOPIX)を5%以上、3カ月後には約7%上回った。分割と同時に増配を発表する企業が多いことも、投資家をひき付ける要因となっている。