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非正規待遇

2024.3.21(木) 掲載
給与平均、正規雇用の7割
 勤務時間や雇用期間などの労働条件が限られる雇用者で正社員といった正規雇用より賃金が低い処遇を指し、賃金以外の賞与、手当や退職金などが支給されないケースもある。パートやアルバイト、オフィスの派遣社員、車工場の期間従業員でみられる形態だ。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、非正規の給与の平均は正規雇用の7割にとどまる。
 労働者にとって短時間勤務といった柔軟な働き方を選択できる利点もあるが、労働条件や賃金で不利になりやすい。企業による人員調整も比較的容易で雇用が不安定だ。2021年にパートタイム・有期雇用労働法が全面施行され、同じ労働であるならば待遇も同じにすべきだとの「同一労働同一賃金」の考え方が原則とされた。
 同法施行後も企業の対応には濃淡があり、待遇の是正は道半ばだ。就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)の23年調査によると、基本給を見直した企業は44%だった。一方で賞与や退職金、各種手当を改定した企業は2~3割にとどまり改善余地がある。小売業をはじめ人手不足は深刻になりつつあり、人材確保の観点からも対策は急務だ。