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マクロ経済スライド

2022.6.21(火) 掲載
物価・賃金上昇時の給付抑制
 公的年金の給付額を抑制する仕組み。少子高齢化が進む中で保険料の払い手が減る一方、もらい手の高齢者は増えるため、給付水準を維持しようとすれば保険料が際限なく上昇しかねない。2004年の制度改正では保険料水準を段階的に引き上げて将来的に固定し、収入の範囲の中で給付水準を調整する仕組みが導入された。これをマクロ経済スライドと呼ぶ。
 毎年の年金額は賃金や物価の変動に応じて上下する。物価や賃金が上昇すれば給付額も増えるが、マクロ経済スライドによって賃金や物価の伸びほどは年金額が増えないことになる。どれくらい給付を抑制するかは保険料を支払う被保険者の数や平均余命の変動に応じて決める。
 足元ではマクロ経済スライドによる調整はうまくいっていない。マクロ経済スライドは物価や賃金の伸びがマイナスの場合は発動できない。これまでのデフレ下で調整が進まず、給付の抑制が不十分な状態が続いている。