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超電導

2022.1.13(木) 掲載
電気抵抗をゼロに
 温度を下げたり、圧力をかけたりすると物質の電気抵抗がゼロになる現象。1911年にオランダの物理学者カマリン・オンネスが水銀をセ氏マイナス269度にすると超電導が起きることを初めて発見した。その後、より高い温度で超電導になる物質の研究が盛んになった。
 昭和電線ケーブルシステム(川崎市)は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援の下、2020~21年度に独化学大手BASFの横浜市の工場で超電導送電を実施。工場の冷却設備を活用しコストを抑え、送電ロスを従来比で95%減らした。「小規模な超電導送電線の導入が広がれば、将来の大規模送電の実用化も見えてくる」(NEDO)
 超電導は強力な磁力を生み出せるため、がんなどの診断に有効な磁気共鳴画像装置(MRI)や磁気浮上して高速で進むリニアモーターカーなどにも応用されている。日本はこれまで超電導送電の研究で先行してきたが、基礎研究から応用まで各国で開発競争が激化。実用化では中国などに先を越される可能性もあり、普及に向けた戦略が必要だ。