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基金

2022.1.11(火) 掲載
補正予算で支出膨張
 特定の事業目的のために国が積み立てている資金を指す。独立行政法人や公益法人などが国から交付された補助金などを原資として他の財産とは分けて保管する。国の予算に金額を計上して新規に造成したり、既存の基金に積み増したりする。国だけでなく地方自治体が保有する例もある。
 基金は明治政府が凶作に備えて困窮者対策の資金を定期的に積み立てたのが始まりとされる。あらかじめ積み増した基金を補助金として交付する「取り崩し型」や貸し付けや出資など最終的に資金を回収する「回転型」、取り崩さずに運用益の範囲で事業を実施する「運用型」などがある。
 バブル経済の時期は税収の増加を受けて芸術文化振興基金などを新設し、事業そのものの必要性が疑問視された。2008年のリーマン・ショック後には緊急人材育成・就職支援基金といった緊急経済対策の名目で予算を計上する例が増えた。20年度は新型コロナウイルスの感染拡大による経済の落ち込みを踏まえ、3度の補正予算を編成して基金関連の予算は8兆円超に上った。