きょうのことばセレクション

クリーン水素

2024.2.1(木) 掲載
 燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素のうち、環境に配慮して製造したものを指す。天然ガスや石炭など化石燃料を使ってつくる水素を「グレー水素」といい、グレー水素でも生成時に出るCO2を回収・貯留するなどして排出量を実質ゼロにしたものを「ブルー水素」と呼ぶ。水を太陽光や風力といった再生可能エネルギーでつくった電気で分解したものは「グリーン水素」と呼ばれる。ブルーとグリーンがクリーン水素にあたる。
 国際エネルギー機関(IEA)によると、現在の1キログラムあたりの製造コストはブルーが1~3ドル程度、グリーンが3~12ドル程度という。環境負荷が軽い分、コストがかさむ課題がある。日本政府は2023年に改定した水素基本戦略で水電解装置などの技術開発を支援するとした。市場拡大を通じ、コストを下げ、水素の普及を促す。
 自然界に存在する天然の水素「ホワイト水素」への期待も高まりつつある。アフリカのマリで見つかったほか、米国、フランス、オーストラリアといった国でも発見された。米地質調査所(USGS)によると、世界には1兆トンほどが埋蔵されているという。取り出す際のコストは1キロあたり1ドルという試算もある。
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