きょうのことばセレクション

安全保障貿易管理

2024.2.1(木) 掲載
 輸出管理のうち、国際社会の平和や安全を維持する観点から核兵器やミサイルといった兵器そのものや、軍事転用のおそれがある物品の国際的な取引を規制する仕組みを指す。
 日本の安全保障貿易管理には主に「リスト規制」と「キャッチオール規制」がある。リスト規制は輸出先の国にかかわらず経済産業相の許可が原則必要な品目を列挙するものだ。兵器や武器に転用されうる先端材料、高性能な工作機械などが対象で、国際合意を踏まえて定めている。
 キャッチオール規制はリストに載っていない品目でも輸出先に安全保障上の懸念がある場合、経産相の許可をとるよう求める制度だ。武器向けでは相手国の状況に合わせて輸出先を3分類し、物品の用途などを輸出事業者に確認させている。日本はこのキャッチオール規制を2008年に導入した。当初は貿易への影響を抑えるため、規制対象国を最小限としていた。ロシアのウクライナ侵攻や米中対立など近年の安全保障環境の変化を踏まえ、政府は対象国の拡大を検討する。
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