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実質賃金

2024.2.1(木) 掲載
 会社員が受け取る名目賃金に物価変動の影響を織り込んだ賃金を示す。物価が上がれば相対的に実質賃金は下がり、実際に買えるモノやサービスも減る。日本は物価高の影響で22年4月から23年11月まで前年同月比マイナスの状態が続く。11月は額面の名目賃金が0.2%増えたものの、消費者物価も3.3%上昇して実質は3.0%のマイナスとなった。
 2000~22年の平均変動率を国際比較すると、主要7カ国(G7)で横ばい圏にとどまるのは日本とイタリアのみだった。米英独と日本の4カ国で最新の23年7~9月期をみても日本のみがマイナスに沈む。23年は春季労使交渉の賃上げ率が3.6%と30年ぶりの高水準だったが、それでも物価上昇分を超えられなかった。
 厚生労働省によると賃上げ率は1980年代半ばから90年代前半にかけては3%台後半から5%台にかけての高い水準で推移した。81年は第二次オイルショックによる急激な物価高騰を踏まえ、7.68%まで高まった。90年代後半以降はデフレに陥り、1%台~2%台前半の低水準が続いた。
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