きょうのことばセレクション

PBR(株価純資産倍率)

2024.2.1(木) 掲載
 株価を1株あたり純資産で割った指標。株価が1株あたり純資産を下回りPBRが1倍未満になると、会社を解散したほうが株主にとって得られる利益が大きく、株主が会社の事業活動を評価していないことを意味する。PBRが1倍を超すには理論上、株主や債権者など資金の出し手が期待する収益率(資本コスト)をROE(自己資本利益率)やROIC(投下資本利益率)が上回ることが必要になる。
 日本経済新聞が12日時点のデータを集計したところ、東証プライム上場企業の43%でPBRが1倍を下回った。一方、米国の代表的な企業(S&P500種株価指数の構成企業)で1倍に満たないのは4%、欧州の代表的な企業(STOXX600の構成企業)でも20%にとどまる。
 これまで日本企業は営業利益率など売上高に対する収益性に目が向かいがちで、ROEやROICなど資本に対する収益性への意識が低かった。本業と関係の薄い資産や収益性の低い部門が残る要因とされる。日本企業のROEは10%弱と米国(20%)や欧州(16%)に見劣りする。
PBR(株価純資産倍率)