きょうのことばセレクション

バブル経済

2024.2.1(木) 掲載
 株式や不動産などへの投機が続き、本来の利回りや収益性以上に資産価格が高騰している状態の経済を指す。価格上昇の根拠に乏しく下落のペースも急激なことから「泡(バブル)」になぞらえられる。古くは、17世紀のオランダでチューリップの球根相場が短期間で高騰、急落した事例がある。
 日本では、1980年代後半から90年代前半にかけて生じた。85年のプラザ合意に伴う円高や87年に米国株が暴落した「ブラックマンデー」の悪影響を避けるため、政府・日銀は積極的な財政出動や金融緩和で国内経済を下支えした。内需の拡大は地価や株価の高騰をもたらし、89年には日経平均株価が3万8915円の史上最高値を付けた。若年層の間で高級ブランドやディスコが流行するなど、活発な個人消費も目立った。
 90年以降になると、資産価格は下落に転じた。日本銀行は89年から公定歩合を段階的に引き上げ、大蔵省(現財務省)は90年に金融機関に対する不動産融資の総量規制に乗り出した。高騰していた株価や地価は急落し、バブル経済は崩壊。「失われた30年」と呼ばれる長期停滞につながった。
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