きょうのことばセレクション

ゴルディロックス経済

2024.1.1(月) 掲載
 経済が過熱も冷え込みもせず適度な状況にあること。インフレ率が低位安定する局面では中央銀行が緩和的な金融政策を長く取りやすく、緩やかな景気拡大が続きやすい。金融市場のボラティリティー(変動率)は下がり、投資家が株式などリスク性資産に投資しやすい環境となる。
 英国の童話「3びきのくま」に由来する言葉。森でクマの家を見つけた少女ゴルディロックスは熱すぎず冷たすぎもしないスープを選ぶ。そのため「ぬるま湯」経済と訳されることもある。足元では米経済指標が緩やかに落ち着くなか、米連邦準備理事会(FRB)が利下げへの転換姿勢を示しており、景気が程よい状態にソフトランディング(軟着陸)するとの期待が高まっている。
 リーマン・ショック前年の2007年や、トランプ政権下で米中対立が激化し世界的な株安につながった18年以前にも盛んに登場した言葉でもある。童話は少女が熊に出会って逃げ出す場面で終わる。クマ(ベア)は相場用語で「弱気」のことを指す。
ゴルディロックス経済