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自動車の品質不正

2024.1.1(月) 掲載
 自動車業界では2015年以降、品質の不正が相次いで明らかになった。同年にドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が試験時だけ排ガス量を減らす違法なソフトウエアを使っていたことが発覚。排ガス不正に絡む引当金は2兆円を超えた。
 品質に厳しいとされる日本車でも16年に三菱自動車で燃費データ不正が発覚。それ以降、17年に日産自動車やSUBARUなどで不適切な問題が表面化した。これまで国内の乗用車メーカー8社のうち、トヨタ自動車などを除く6社で測定値を改ざんするなどの不正行為があった。物言えぬ風土や社内チェック体制の不備などが不正を起こす温床とされる。
 トヨタ本体での不正は確認されていないものの、グループ企業では不正行為が相次ぐ。完全子会社のダイハツ工業だけでなく、日野自動車では22年にトラックのエンジン排ガスのデータ不正が判明。豊田自動織機でも主力のフォークリフト用エンジンで、排ガスデータを差し替えるなどの行為が23年3月に判明した。
自動車の品質不正