きょうのことばセレクション

半固体電池

2024.1.1(月) 掲載
 発火リスクが小さく、安全性を備えた電池として開発が進む次世代のリチウムイオン電池のひとつ。正極と負極の間でエネルギーをやり取りする電解質にゲルや粘土、樹脂など半固体状の物質を使う。既存の電池の生産ラインを一部活用できるほか、乾燥など省ける工程もあるため、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を減らせ、製造コストも削減できる。
 電解質が固体の「全固体電池」の前段階として、電気自動車(EV)や再生可能エネルギーの蓄電用に普及が期待される。日本では24Mテクノロジーズの技術を使い、京セラなどが生産を始めている。海外でも大型工場の建設が進むほか、大学発のスタートアップ企業や中国勢も技術開発に動いている。
 各国が電池を巡って環境規制の強化に動くなか、製造時の環境負荷が小さいのは有利となる。欧州連合(EU)の欧州委員会が24年に始める電池の製造や廃棄時の温暖化ガス排出量表示の義務化など、今後の環境規制に対応できる可能性がある。
半固体電池