フィルムコミッション

　フィルムコミッション（FC）は映画やテレビドラマなどのロケによる撮影が円滑に進むよう、制作者との調整役となる非営利の公的組織。ロケ候補地の確保や撮影許可などの手続き、エキストラの手配や撮影隊への食事の提供など活動は多岐にわたる。自治体や経済・観光団体が事務局を務めることが多い。映像を通じた地域の魅力発信や観光振興などを狙う。
　映画制作が重要産業である米国で最初に根付き、1969年にコロラド州政府が設立した「コロラド・フィルムコミッション」が世界初のFCとされる。米国では雇用の確保など産業支援策にFCが活用され、コンテンツ産業の一角を占める。
　日本で初めてのFCは2000年に大阪府や商工団体などが設立した。01年には全国の協議会組織ができ、09年にNPO法人のジャパン・フィルムコミッションへと移行した。FCの国際的な要件として「非営利の公的機関が運営」「撮影を支援する一元的な相談窓口や協力体制の提供」「表現の自由を尊重し作品内容を選ばない」の3点が挙げられている。