きょうのことばセレクション

銀行の議決権保有規制

2023.12.1(金) 掲載
 銀行とその子会社が国内事業会社の議決権を合算して5%を超えて取得・保有することを原則禁止した銀行法上の規制。一般的に5%ルールと呼ばれる。銀行が本業以外の活動によって自社の健全性を損なうことを防止する狙いで、1998年に設けられた。銀行が出資を通じて産業を過度に支配しないよう独占禁止法にも同様の規定がそれ以前からある。
 5%ルールには例外がある。一定の独立性がある銀行の投資専門子会社を通じてであれば、設立10年未満の非上場の中小企業や事業承継の支援が必要な会社などに対して議決権を100%まで保有できる。5%ルールの趣旨を維持しつつ、地域経済の活性化に必要な資金を供給する狙いで例外が認められる範囲を段階的に広げてきた。
 金融庁は例外の範囲をさらに拡大し、研究開発型など事業化に時間のかかるスタートアップを念頭に銀行グループが出資できる事業会社を拡充する。設立10年以上でも出資できるようにして、幅広いスタートアップに資金が回りやすい環境をつくる。
銀行の議決権保有規制