IPEF

　バイデン米大統領が2022年5月に来日した際に創設を表明し、同年9月に交渉を開始した新たな経済圏構想のこと。正式名称はインド太平洋経済枠組み（Indo-Pacific Economic Framework）。日米やインド、東南アジアなど14カ国が参加する。世界の国内総生産（GDP）のおよそ4割を占める。
　交渉は供給網強化に加え、貿易円滑化、脱炭素などクリーンな経済、税逃れ防止など公正な経済の計4分野が柱となっている。関税の引き下げや撤廃は扱わない。供給網分野は23年5月に合意した。今回の閣僚会合では貿易分野での妥結に至らず、クリーン経済と公正な経済について合意する見通しとなった。
　環太平洋経済連携協定（TPP）から離脱した米国が中国の覇権的な経済活動を抑えるため、アジアにおける経済協力の枠組みをつくろうと打ち出された。アジアには他にも日本が参加するTPPや東アジアの地域的な包括的経済連携（RCEP）などの枠組みがある。