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社債償還

2023.12.1(金) 掲載
 社債は民間企業が発行する債券で、企業の資金を調達する手段の一つ。発行企業は金利を投資家に支払い、満期までに元本を返済する。調達額の元本を投資家に支払うことを償還という。償還期間が長い社債は、銀行借り入れと比べ資金繰りを安定させやすい利点がある。
 投資家にとっては利払いが滞るリスクもあり、発行金利には国債利回りなどに上乗せ金利(スプレッド)が加えられる。スプレッドは発行体企業の信用力などに左右され、格付け会社の格付けなどが参照される。楽天グループの場合、財務基盤や現金収支が悪化し、S&Pグローバルが長期発行体格付けを投機的水準とされるダブルBに1段階引き下げていた。
 楽天Gは携帯の基地局整備で膨らむ設備投資を社債の発行で賄ってきたため、大量の償還が控えている。2023年には780億円の償還を予定し、そのうち100億円は償還済みだ。残りの劣後特約付き社債(ハイブリッド債)680億円も12月に全額償還する予定だ。償還予定額は24年には約3200億円、25年には約4700億円に膨らむ。
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