きょうのことばセレクション

労災保険

2023.12.1(金) 掲載
 社会保険のひとつで仕事や通勤中のけがや病気に対して給付を行い、自助努力では避けられない災害を補償する。病院の受診費用のほか、仕事ができない期間の給与を補填する。死亡した場合は遺族に一時金などを支払う。基本的に会社に雇用される労働者が対象で、保険料は企業が全額もつ。近年では、勤務中の新型コロナウイルス罹患(りかん)が給付対象になった。
 労働者でなくても一部の人は特別加入ができる。現在は中小企業主や職人などの一人親方、一部のフリーランス、国際協力機構(JICA)などの海外派遣者が対象だ。企業に属していなくても「労働者と同等」と見なせる人を保護する。保険料は加入者個人がもつ。確定申告の作業など個人としての業務中の事故は対象にならない。
 労働災害による死傷者数は2022年に13万2355人と過去20年で最多となった。年齢別では4分の1が60歳以上だった。定年延長や再雇用の広がりで高齢労働者の被災が増加しており、厚生労働省は災害内容を分析して対策を急いでいる。
労災保険