きょうのことばセレクション

日本の物流

2023.11.1(水) 掲載
 物流業界は慢性的にトラック運転手が不足している。日本ロジスティクスシステム協会は、2015年に76万人いた貨物運送のドライバーが30年には3割減ると試算する。少子化の影響で、長距離輸送を中心に安定した事業運営が将来的に困難になるとの見方がある。各社は賃上げなど待遇改善に向けた運賃の引き上げを進める。
 政府は運転手不足が懸念される「2024年問題」に備えた緊急対策をまとめた。運転手らの代わりに荷物の積み下ろしができる自動フォークリフトや、無人で物流施設内を走行できる無人搬送車(AGV)の導入促進を盛り込んだ。複数の荷主による共同輸送などトラックの積載率を高めて必要な運転手を減らす取り組みも求められる。
 輸送手段をトラックから鉄道などに切り替える「モーダルシフト」が注目される一方、国土交通省によると国内貨物の輸送量(トンキロベース)に占める鉄道の割合は5%程度にとどまる。鉄道は自然災害などで線路が長期間寸断されるリスクもある。代替手段として本格的に転換するには時間がかかるとの指摘もある。
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