きょうのことばセレクション

行政デジタル化

2023.11.1(水) 掲載
 政府による紙や対面に基づく行政手続きを廃止し、国民の利便性を高める政策を指す。行政機関同士のデータ共有により手続きの重複の削減もめざしてきた。2000年の森喜朗政権で成立したIT基本法、01年に定めた「e-Japan戦略」が源流にある。
 政府は21年9月にデジタル政策の司令塔を担うデジタル庁を立ち上げた。マイナンバーカードの普及や地方自治体ごとに異なるシステムの標準化を進める。23年10月にはデジタル行財政改革会議を設け、デジタル技術を使った行政の効率化と歳出改革を並行させた改革をめざす。教育や介護、交通を重点領域に掲げ横断的な改革を狙う。
 歴代政権がそれぞれ新たな戦略などを打ち出してきたものの改革は浸透してこなかった。新型コロナウイルス禍で感染者情報の集約やワクチン接種が滞り、岸田文雄首相は「デジタル敗戦」と指摘する。23年の春にマイナンバーを巡り他人の情報を誤って登録した事案が相次ぎ判明するなど課題も浮上した。
行政デジタル化