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企業年金の予定利率

2023.11.1(水) 掲載
 確定給付型(DB)企業年金を採用する企業が加入者(従業員)に対し約束する利回りのこと。例えば、退職者の年金を集めて運用する企業年金連合会の場合、予定利率は1997年8月に5.5%から4.75%へ引き下げ、それから一貫して下げ続けている。企年連は現役従業員の年金を扱う一般的な年金基金と違い、主に運用利回りで給付原資を確保する必要があり、運用は保守的とされている。足元の予定利率は97年当時と比べ77~95%切り下げ、年齢別に1.25~0.25%を設定している。
 一方、日本の企業年金の運用成績は改善しつつある。企業年金連合会の実態調査(回答数約1800)によると、リーマン・ショックを踏まえた過去20年で3.21%だったが、直近5年では3.9%だった。積み立てが超過した状態で財政状態も安定している。
 確定拠出型(DC)は個人に運用を任せており、DBのような予定利率はない。制度導入から21年度までの平均運用利回りは3.8%に上るが、成績の分布は二極化している。8割が2%超の成績を出しているが、1%弱がマイナス運用に陥っている。
企業年金の予定利率