きょうのことばセレクション

出力制御

2023.10.1(日) 掲載
 電力の需要を発電量が大きく上回りそうな時に、大手電力の送配電会社が管轄エリア内の発電を抑える措置。電力システムの安定には需要と供給を一致させる必要がある。需給バランスが崩れると、大規模停電が起きる可能性がある。火力やバイオマス発電所の出力を落としてもなお電気が余る場合、太陽光や風力発電所の稼働を止める。
 冷暖房の使用が減る春や秋、企業の工場が稼働しない休日に起きやすい。2018年に九州電力が離島以外で初めて実施した。23年には中部、関西と大都市圏にも広がった。全国的に太陽光発電所の建設が進み、発電量の多い昼間に電気が余る日が増えている。
 制御が避けられない要因の一つに、地域をまたいで電力を融通する「地域間連系線」の容量不足がある。国は3月、50年までに全国の連系線や送電網の増強に6兆~7兆円を投資すると発表した。政府は今後10年で150兆円のグリーントランスフォーメーション(GX)投資を官民で想定する。昼間に電気をためられる大型蓄電池の普及も後押しする。
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