きょうのことばセレクション

資本調達

2023.10.1(日) 掲載
 上場企業が株式を発行して投資家から資金を調達すること。「エクイティファイナンス」ともいう。設備投資やM&A(合併・買収)など成長投資に必要な資金を確保したり、傷んだ財務を手当てしたりするために実施する。公募増資や新規株式公開(IPO)、将来株式に転換する可能性がある新株予約権付社債(転換社債=CB)などの方法がある。
 発行済み株式数が増えると株主にとっては1株当たりの利益が薄まるため、株価下落を招きやすい。楽天グループは5月に公募増資と第三者割当増資で3000億円規模の資金調達を発表し株価が下落した。公募増資では価格決定まで株価が大きく動き、企業には目標の調達額に届かないリスクもある。株価安定には増資後の利益成長シナリオが欠かせない。
 資金調達の方法には他にも普通社債や金融機関からの借り入れによる「デットファイナンス」がある。2013年導入の異次元金融緩和で金利が低く抑えられてきた日本では負債で資金調達する企業が多かった。足元では国内外で金利先高観が強まり、資金調達の選択肢を増やす企業も出ている。
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