きょうのことばセレクション

災害拠点病院

2023.10.1(日) 掲載
 災害発生時に地域医療の要として重傷者の初期治療を担い、地域の病院を支援する。4月時点で全国に770病院ある。1995年の阪神大震災の教訓から厚生省(当時)が96年、災害時の初期救急医療体制の充実強化を要請。各都道府県が整備を進めている。
 厚生労働省は指定要件として、24時間緊急対応でき災害発生時に被災地内の傷病者の受け入れ・搬出が可能な体制を持つことや、災害派遣医療チーム(DMAT)を保有することに加え、被災後に診療機能を早期に回復させるため業務継続計画(BCP)を整備することなどを求めている。最低3日分の食料や水の確保なども必要になる。
 2011年の東日本大震災では岩手、宮城、福島の3県の33災害拠点病院のうち31施設が一部損壊。電気や水道などの供給も止まり、被災直後は20施設が外来患者の受け入れを制限した。こうした反省を踏まえ、建物の耐震化や食料や水の備蓄などが進んでいる。指定された病院には診療報酬の加算がある。
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