きょうのことばセレクション

計画運休

2023.9.1(金) 掲載
 台風や大雪などにより広範囲で風雨の規制値を長時間超えることが予想される場合、鉄道などの公共交通機関が事前に運行の取りやめを決めて公表する。駅間での列車の立ち往生や線路などの被災を防ぎ、乗客の安全を守る狙いがある。実施の決定や利用者への伝達時期に法的規制や根拠はなく、各社の判断に任されている。
 国内の鉄道会社で初めて大規模な計画運休を実施したのは、2014年10月に台風19号が接近した際のJR西日本だ。18年の西日本豪雨で関西の私鉄各社に拡大。JR東日本も18年9月に首都圏全域で初めて実施したが、公表が運休の8時間前だったため一部の駅で混乱が生じた。
 国土交通省は19年、発表のタイミングなどを定めた「タイムライン」を事前につくるよう鉄道各社に要請した。48時間前に「運休の可能性」、24時間前に「詳しい運転計画」を明らかにするのが望ましいとの指針も示した。発表が遅れると運休が周知されずに駅で帰宅困難者が生じる懸念がある一方で、気象情報を事前に分析して予測する難しさも指摘されている。
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