きょうのことばセレクション

PFAS

2023.9.1(金) 掲載
 有機フッ素化合物の総称。4700種類以上あるとされる。自然界では分解されにくい性質があり「永遠の化学物質」とも称される。一部の種類(PFOSやPFOA)はがんや高脂血症などのリスクを高めるとして、製造や輸入がすでに禁止された。全てが有害性を持つわけではないが、分解がされにくく環境に蓄積されるため、規制する動きが出ている。
 欧州はPFAS素材の厳しい規制に動く。欧州化学品庁(ECHA)が2月に公表したPFAS制限提案書では、身近な繊維製品や食品関連用途なども規制対象とした。現状で有効な代替品がなくても将来的に使えなくなる。置き換えが難しい用途には猶予期間が設けられた。半導体や冷媒などでは特例として最大12年の猶予が検討されている。
 PFAS規制を逆手に商機へ変えようとする企業も出ている。英スタートアップのアンフィコがPFASを含まない代替繊維の量産を24年にも始める。日本ゼオンは電池に使う接着剤で主流のPFAS含有品ではない製品を販売している。代替品の開発は新たな市場の創出にもつながりそうだ。
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