きょうのことばセレクション

株式報酬

2023.8.1(火) 掲載
 給与や賞与など現金報酬に加えて株式で付与する報酬。株価に連動して受け取れる報酬額が変わるため、株価を高める企業価値向上へのインセンティブが働きやすい。役員への導入が先行したが、足元では従業員の働きがい改善などを狙った人的資本投資の一環としても活用が進む。
 主流は株式を事前に付与する譲渡制限付き株式報酬(RS)だ。売却制限があるため人材の引き留め効果が強く、2016年の税制改正で解禁後に導入拡大が続く。ほかにも事後的に株式を与える譲渡制限付き株式ユニット(RSU)、信託を使った株式給付信託(ESOP)、あらかじめ決められた価格で株式を購入できる権利であるストックオプション(株式購入権)などがある。
 野村証券によれば、主要な株式報酬制度を従業員向けに導入した企業は6月末時点で966社と、上場企業全体の約25%まで拡大した。付与対象も管理職から一般社員まで広がっている。導入の効果を十分に発揮するには、従業員に仕組みや意義を丁寧に説明するだけでなく、口座開設など事務手続きの支援も欠かせない。
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