きょうのことばセレクション

2024年問題

2023.8.1(火) 掲載
 2019年施行の働き方改革関連法で時間外労働時間の上限などが定められたが、物流など一部業界では24年3月末まで猶予期間がもうけられていた。同年4月以降はトラック運転手の時間外労働時間が年間960時間と制約が求められる。物流業界は慢性的な人手不足が続いている。労働時間の上限が加わることで安定輸送がさらに困難になるとの懸念があることから「2024年問題」と呼ばれる。
 政府は6月の関係閣僚会議で「物流革新に向けた政策パッケージ」も策定した。ガイドラインでは荷待ち・荷役作業を2時間以内とし、すでに達成している事業者は1時間以内を努力目標とすることなどを示した。事業者間での共同配送により、積載率向上に努めることも求めている。
 規制の強化を受け野村総合研究所は25年に全国の荷物の28%、30年には35%が運べなくなるとの試算も示している。こういった状況から、物流各社のほか、メーカーなど幅広い業界で垣根を越えた物流改革が急務となっている。
2024年問題