きょうのことばセレクション

衛星通信

2023.8.1(火) 掲載
 人工衛星を介した地上の無線通信サービス。地球から遠い静止衛星などを使う旧来の方法は、通信の遅延の大きさやコストの高さから用途は限定的だった。近年は地球に近い低軌道で多数の小型衛星を一体運用する「衛星コンステレーション」が台頭している。通信が速く、料金も比較的手ごろなことから一般的なインターネット接続手段として普及しつつある。
 地上通信網の整備が不十分な新興国や既存の回線が高額な内陸部などで需要が見込まれる。ネット接続機能を備えたコネクテッドカー(つながるクルマ)や、IoT機器向けといった用途も広がる期待がある。米モルガン・スタンレーは宇宙産業の市場拡大のけん引役になると予想する。
 通信網が充実している日本でも活用が進む。山小屋や山奥の工事現場で通信環境を整えたり、大規模な音楽イベントでキャッシュレス決済用に一時的に通信キャパシティを増強したりする例がある。
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