きょうのことばセレクション

産業革新投資機構(JIC)

2023.7.1(土) 掲載
 2018年に発足した官民ファンドで、政府が09年に産業や組織の壁を越えて日本を担う次世代産業の創出などを目的に設立した産業革新機構(INCJ)を改組する形でできた。INCJ時代から経済産業省が所管する。民間だけでは取り切れない投資リスクを官民でとり、新しい産業を育成するのを主な投資目的としている。
 産業革新投資機構(JIC)の出資金の大半は政府が財政投融資特別会計(投資勘定)を通じて出している。総額は3700億円弱にのぼり、全体の96%を占める。企業も一部出資しており、日本政策投資銀行が15億円、トヨタ自動車、ソニーグループ、日立製作所、パナソニックホールディングス、三菱重工業、三菱UFJ銀行、三井住友銀行など24社が5億円ずつ出している。
 INCJ時代の実績では経営不振に陥った企業を救済するような形での資金注入が目立った。支援先の液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)の赤字がなお続いていたり、有機ELディスプレーパネル製造のJOLED(ジェイオーレッド)が経営破綻に追い込まれたりするなど、投資回収がうまくいっていないケースがあった。
産業革新投資機構(JIC)