きょうのことばセレクション

保育所

2023.7.1(土) 掲載
 保護者が働いている間などに未就学児を預かる施設。共働きや核家族の増加で需要が高まっている。市区町村や民間企業が運営主体で子どもを11時間程度預かる認可保育所のほか、教育と一体の認定こども園、企業主導型の保育所などがある。厚生労働省によると、全国の定員数は2022年に304万人と5年前から13%増えた。
 高まる需要を満たすための量の拡大だけでなく、質の向上も課題だ。厚労省は省令で、ひとりの保育士が担当できる子どもの数の基準を定めている。3歳なら20人、4~5歳なら30人と他の先進国より多い。たくさんの子どもに目を配るのは難しく、かねて劣悪との指摘がある。
 保育士の配置を手厚くする議論は担い手不足が壁になっている。労働時間の長さや賃金の安さなどの構造問題があるため、仮に基準自体を見直しても、人手を集められない施設が続出しかねない。独自に保育士を増やす場合の補助金も現状では限定的だ。
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