きょうのことばセレクション

海底ケーブル

2023.7.1(土) 掲載
 光ファイバーを使い、インターネットなどのデータを送る海底のケーブル。世界に約500あり、総延長は地球30周分以上の約130万キロメートルに達する。国際電気通信連合(ITU)によると、アジア大洋州の越境データ流通量は世界の4割を占め、2020年の伸び率が42.8%と、19年の伸び率(25.6%)を大きく上回った。
 国際的な通信量は増え続けており、世界で毎年20本ほどの海底ケーブルが新設されているとされる。米調査会社テレジオグラフィーによると、太平洋を横断する日米間に10本近くの海底ケーブルが敷設されている。海底ケーブル網を充実させれば、データセンターなどの投資を呼び込みやすくなる。日本には北米とアジア、太平洋地域を結ぶ地理的優位性がある。
 近年は地政学上のリスクに関心が集まっている。北大西洋条約機構(NATO)はウクライナ危機に関連し、ロシアが西側諸国の海底ケーブルを標的にすると懸念する。台湾では本島と離島を結ぶ海底ケーブルが切断される事案が続いている。22年10月には英国とフランスの海底ケーブルが切られたが犯人は不明だ。
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