きょうのことばセレクション

水災保険

2023.7.1(土) 掲載
 豪雨などで河川の水があふれ出る外水氾濫や、下水道の処理能力を超える降雨により生じる内水氾濫、土砂災害による浸水や破損といった建物被害などを補償する保険。単独では契約できず、火災保険の付帯補償として加入する。付帯するかどうかは加入者が選択できる。付帯率は約65%で、近年は緩やかな低下傾向にある。
 災害の大規模化で被害額は膨らむ傾向にある。損害保険料率算出機構によれば、2019年度には大型の台風が直撃し、水災の保険金支払額は1237億円に上った。現状では水災補償の保険料率は全国一律のため、高台など被災リスクの小さい地域に住む人にとっては保険料の割高感がくすぶっている。
 内閣府の調査では、水災補償に加入しない理由として「保険料が高いと思うから」と回答した割合が2割弱だった。水災補償の保険料率を地域のリスクに応じて5段階に分けるのは、保険料負担の公平性を高めることで加入を促進する狙いがある。リスクの高い地域の住民に災害の危険性を正しく認識してもらい、防災対策を促す効果も見込む。
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