きょうのことばセレクション

ラボラトリーオートメーション

2023.4.1(土) 掲載
 人工知能(AI)やロボットを活用して研究や実験を自動化する取り組み。製造部門では加工や組み立てなどの工程を自動化するファクトリーオートメーション(FA)が20世紀に進展したが、薬や素材の研究開発は人間の経験や勘に頼り、手作業による実験も残ってきた。AIの技術革新や新型コロナウイルス禍を受け、研究の領域でもデジタル化が加速しつつある。
 調査会社マーケッツアンドマーケッツによると「ラボオートメーション」の世界市場は年平均約6%のペースで拡大し、2028年に71億ドル(約1兆円)に達する見通し。新薬開発の難易度の高さなどを背景に、製薬業界などで導入が先行する。研究者の作業を代替するロボットも登場しており、研究の高速化や実験の正確性の向上につながると期待を集める。
 素材開発では膨大な材料データをAIなどで解析し、求める性能の化学構造などを導き出す「マテリアルズ・インフォマティクス」と呼ぶ手法が広がっている。AIやロボットにより研究開発の自動化を進めることで、人間の研究者をより創造的な作業に集中できるようにする狙いもある。
ラボラトリーオートメーション