きょうのことばセレクション

極超音速ミサイル

2022.12.1(木) 掲載
 音速の5倍以上の「極超音速」で低い高度を飛ぶミサイル。放物線を描く弾道ミサイルと異なり速度や方向を変えて飛行する。探知や迎撃が難しく、既存のミサイル防衛システムを突破する「ゲームチェンジャー」の技術とされる。英語ではHyper-Sonic Missileと表記する。
 大きく2つの種類に分けられる。一つは特殊なエンジンによって推進力を得る極超音速巡航ミサイル(HCM=Hyper-Sonic Cruise Missile)だ。日本はこのタイプの開発をめざす。もう一つは極超音速滑空兵器(HGV=Hyper-Sonic Glide Vehicle)と呼ばれ、弾道ミサイルなどで打ち上げた後に弾頭部が分離しグライダーのように滑空して目標へ向かう。
 極超音速ミサイルの研究開発は中国やロシアが先行する。中国はHGVの飛行試験をしており、20年にはHGVを搭載できる弾道ミサイル「東風(DF)17」の運用を始めたとみられる。ロシアはHGVをすでに配備し、HCMも導入の最終段階にあるとされる。米国は研究開発を急ぐと同時に、極超音速ミサイルの迎撃技術を日本と共同研究する方針だ。
極超音速ミサイル