きょうのことばセレクション

充足率

2022.11.1(火) 掲載
 企業が採用計画数に対して実際に確保できた人数の割合を指す。日本では大半の企業が特定の時期に横並びで学生を集中的に選考し、在学中に内定を出す「新卒一括採用」が一般的だ。少子化の加速で新卒採用の売り手優位が強まるなか、一部の人気企業に優秀な学生が集中し、企業間の充足率の格差は拡大する傾向にある。
 1950年代以降、経済団体や大学が採用活動の時期に関して指針を定めてきたが、人材争奪戦が激しくなるなか、経団連は21年卒採用から一律のルールづくりをやめた。現在は政府が国内企業に対して大学3年生の3月に採用広報を解禁し、4年生の6月以降に面接を始めることを求めているが、就活の早期化は止まらない。
 必要な人材を確保するため、多くの企業が新卒一括採用を見直しつつある。日本と卒業時期が異なる海外の大学の卒業生などを取り込むための通年採用や、学生をターゲットにした採用直結型のインターンシップ(就業体験)も広がりそうだ。
充足率