事項要求

　各府省庁が8月末に財務省へ提出する翌年度予算の概算要求で、必要な金額を示さずに事業項目だけを記して予算要望すること。政策の具体的な内容が決まっておらず、政府・与党の調整を待つ必要がある場合などに使う手法だ。最終的な中身は年末に翌年度予算案を決める際に詰める。
　概算要求は厳しい財政事情を踏まえて「シーリング」（天井）と呼ばれる基準に沿ってつくる。2023年度予算の概算要求は岸田政権の経済政策「新しい資本主義」関連などの政策に4.4兆円規模の特別枠を設けた。この枠は各省庁が使い道を決める「裁量的経費」の削減額の3倍まで要求できる。
　事項要求はさらにその枠外で上限を意識せずに盛り込める。23年度予算は防衛力の強化のほか、新型コロナウイルスや物価高への対策、脱炭素の推進などに関連するものが該当する。防衛費は年末に国家安全保障戦略など3文書を改定するため、それに伴って必要な費用水準や事業項目が変わる。