きょうのことばセレクション

金融庁検査

2021.12.1(水) 掲載
 銀行法に基づき強制権を持って金融機関の実態を検査すること。金融庁が必要だと判断すれば、通告したうえで検査官が立ち入ったり、オンラインで資料を提出させたりできる。今回のみずほ銀行のように特定の問題に伴う検査では、トラブルの原因究明の過程で内部管理体制の不備がみつかり、行政処分に発展するケースが多い。
 みずほ銀行は期間を定めない「通年検査」の対象となっており、取締役会や経営会議などの資料を金融庁に提出している。今回はシステム障害が起きるたびに金融庁監督局が報告徴求命令を出し、並行して検査部局がオンラインも併用しながら役職員らへの聞き取りを含めて検査を続けてきた。
 検査忌避や妨害は銀行法で禁じられており、過去には旧UFJ銀行が検査忌避で行政処分を受けた。かつての検査は貸出債権の査定が主体で、検査で不良債権と認定されたことで多額の貸倒引当金の計上を迫られ赤字転落する銀行が相次いだ。すでに資産査定は銀行の判断を尊重する姿勢に転じている。
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