きょうのことばセレクション

同一労働同一賃金

2020.2.1(土) 掲載
正社員と業務内容に差がない非正規社員の給与、手当、福利厚生、教育訓練などの不合理な待遇格差の解消をめざす取り組み。4月から順次スタートする。全国で140万人に上る派遣社員も対象で、雇用する派遣会社に対応が求められる。違反しても罰則はないが、派遣社員から損害賠償の請求などを受けるリスクがある。
 派遣社員にこれまで給与とは別建てで払うケースが少なかった交通費は、新ルールの適用前に既に支払う派遣会社もある。大手のスタッフサービスなどは、派遣社員を確保しにくい地域の案件や職種に応じ、交通費の支給をうたい募集している。
 新たなルールで派遣社員に支払う目安となる時給額は、厚生労働省が基準を示す。東京都内で働く未経験の一般事務職の派遣社員の場合、賃金の基準値(1026円)に地域係数分(14.1%)、退職金相当分(6%)、交通費相当分(72円)を合計した1312円が事実上の最低賃金となる。すでに同等以上の水準を払っていても、人手不足の環境下では派遣社員の給与を減額することは難しい。働き手の確保に向け、時給を上乗せする動きが広がりそうだ。
同一労働同一賃金