きょうのことばセレクション

OPEC

2019.1.1(火) 掲載
石油市場を支配していた欧米メジャーに価格交渉力で対抗するため、イラク、イラン、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの産油国5カ国が1960年に設立した。その後カタールやリビア、アラブ首長国連邦(UAE)などが加わり、現在は15カ国が加盟する。本部はウィーン。総会が最高の意思決定機関で議決は原則、全会一致による。
 設立以降、加盟国が協調して原油の生産量や価格をコントロールするようになり、価格決定権が産油国側に移った。70年代には原油価格を大幅に引き上げ、オイルショックを引き起こすなど、大きな影響力を誇った。世界の原油生産量に占めるシェアは42%(2017年時点)。
 1980年代から旧ソ連など非加盟国の台頭に加え、欧米の石油先物市場が価格決定の主導権を握るようになり、OPECの重要性は低下した。米国でシェールオイルの産出が本格化したこともあり、原油価格は2016年初めに一時、1バレル20ドル台まで急落した。危機感を抱いたOPECは近年、ロシアなど非加盟を巻き込んだ協調減産にも取り組んでいる。
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