きょうのことばセレクション

ドッド・フランク法

2018.6.1(金) 掲載
2008年の米リーマン・ショックの再発防止を目的に、オバマ前政権が10年7月に導入した包括的な金融規制法。金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じる「ボルカー・ルール」を中核に、金融機関の破綻処理ルールの策定や、金融システムの安定を監視する金融安定監視評議会(FSOC)の設置などを盛り込んだ。
 この中で、経営トップの報酬が平均的な従業員の報酬の何倍かを示す「ペイ・レシオ」の開示も義務付けられた。ウォール街を中心に高騰していた金融機関などの報酬を監視する狙いがあったが、細則の制定が遅れ、15年にようやく確定した。17年以降の事業年度から適用され、18年に入り開示が始まった。
 17年に規制緩和を唱えるトランプ大統領が就任して以降、ドッド・フランク法は大幅な見直しが進む。今春には厳格な規制や監視の対象となる金融機関の範囲を狭める法案が可決されるなど、規制の緩和や骨抜きが加速している。ペイ・レシオの開示も、見直しの可能性が取り沙汰されている。
ドッド・フランク法