きょうのことばセレクション

一帯一路

2017.7.1(土) 掲載
 中国の習近平国家主席が2013年に提唱した中国と欧州を結ぶ巨大な広域経済圏構想。陸路で中央アジアを経て欧州に続く「シルクロード経済ベルト」が「一帯」で、南シナ海からインド洋を通り欧州へ向かう「21世紀の海上シルクロード」を「一路」と呼ぶ。沿線の国は約70カ国に上るとされる。インフラ投資などを通じて、親中国圏を広げる狙いがある。
中国政府は同構想を資金面で支える政府系投資ファンド「シルクロード基金」を14年に設立。政府の外貨準備、政策金融機関などが資金を拠出する。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を主導したのも、関係国がインフラ整備に向けて資金を確保できるようにするためだ。
 5月14~15日に北京で開かれた一帯一路に関する国際会議には29カ国の首脳が参加。安倍政権は自民党の二階俊博幹事長を派遣した。沿線の国々の多くは中国の資金を経済成長に役立てられることを歓迎する一方、経済支援が中国企業の進出ばかりにつながっているとの批判的な見方もある。
一帯一路