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拡大抑止

2024.5.3(金) 掲載
米韓も協議の頻度向上
 核兵器を含む米国の戦力による抑止力を同盟国の防衛にも適用すること。他国の防衛に関与することにより自国から「拡大」した抑止となる。相手の攻撃を物理的に阻止し、耐えがたい打撃を与える能力があると示すことで思いとどまらせる。
 拡大抑止に使う戦力は核だけではない。核兵器は事態を急激にエスカレーションさせる最終手段だ。平時から通常戦力もあわせて運用し、抑止力を高めることが重要になる。日本は相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の保有を決めた。相手の攻撃を阻止するために日本が貢献できる役割が増える。
 東アジアでは韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が米国と拡大抑止を巡る実務者間協議の頻度を高める。23年4月の米韓首脳会談などで取り上げた。23年に米軍の爆撃機B52が韓国に初めて着陸し、核兵器搭載可能な戦略原子力潜水艦もおよそ40年ぶりに寄港した。日本と異なり、目に見える形で米国の関与を示す狙いがある。