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原子力ルネサンス

2024.4.28(日) 掲載
脱炭素で再評価、増設進む
 世界各国で原子力発電の見直しが進み、新設や増設計画が相次ぐ動きを指す。原発は温暖化ガスの排出が化石燃料を使った発電などと比べ少ないとされる。地球温暖化や原油価格高騰を受け、2000年代に米国のブッシュ政権下で見直しが広がり、チェルノブイリ原子力発電所の事故などを受けて脱原発が進んでいた欧州でも原発を再評価する動きが広がった。
 22年のロシアによるウクライナ侵略でエネルギー安全保障の重要性が再認識された。脱炭素との両立も可能として各国で再び原発見直しが進む。23年に開かれた第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)では、原発の設備容量を50年までに3倍にするとの宣言に日本や米国など20カ国以上が賛同した。
 電力需要の増加が見込まれる中国やインドなど、アジア・アフリカの新興国も新増設の計画を打ち出している。世界原子力協会(WNA)によると、現在世界では60基の原子炉が建設中で、中国はその4割超を占める。計画中や提案段階のものも含めれば500基近くなり、現在稼働中の原子炉数を上回る。原発の急増に伴い原子力燃料の需要も急激な増加が見込まれている。