みんなの日経読みこなし

企業読者インタビューVol.1 サイバーエージェントグループ

ビジネスパーソンにとって情報収集力は、仕事をする上で欠かせません。
日本経済新聞が情報収集の貴重なツールになっているというサイバーエージェントグループの20代の若手社員3人。「IT企業でありながら、あえて『紙の』新聞を読むメリット」「日経を読み続けることで身についた力」など、日経を読むきっかけから、読み方、その必要性について語っていただきました。

若いから仕方ないではなく若くてもしっかりしている!

ビジネスの共通言語を得るため、日経を読む必要性を実感

荒井
日経を読み始めたのは、入社当初に弊社の親会社、サイバーエージェント社長の藤田が、日経三紙をはじめ、日本の主要新聞はすべて読んでいると聞いたからです。また、社長を審査員にした、若手が経営の提言をする「あした会議」という会があるのですが、そこでの若手の情報感度の低さを課題視され、「もっと日経を読まなきゃまずい!」と言われたこともきっかけになっています。
中村
「YMCAあした会議」もその一環なのですが、サイバーエージェントでは、20代のトップラインを引き上げる目的で発足したYMCA(Young Man CyberAgentの略)というプロジェクトがあります。私は現在5期理事を務めさせて頂いておりますが日経は共通の話題や言語を得るツールとして役立っています。事業も多角化してきていますので、日経を通して時流と社流のトレンドを把握できたり、他事業部との会話が出来たりします。また、業務においても私は広告代理事業の海外局長という役職柄、企業の責任者クラスの方々とお会いすることが多く入社以来継続している新聞から情報を得る習慣が役立っています。
永友
学生時代、日経というと数字と難しい漢字が並んでいるイメージでした。社会人になり、1年ほど前から業務で決算資料を読むようになった時に、時流に関する知識不足を痛感し、日経を読みはじめました。習慣化するのに苦労しましたが、毎日届きますから読まなきゃもったいないなと。あと、グループ会社の社長が日経を読む前に読むと分かりやすい本を社内報で紹介していました。そのうちの1冊で、池上彰さんの『知らないと恥をかく世界の大問題』シリーズで、世界の情勢やその構造を理解。日経がぐんと身近になりました。

関心のない記事も目に入る。網羅性や一覧性が紙の新聞の魅力

中村
実際に習慣化してみると、新聞のよい点は、興味の薄い記事も目に入るところ。毎日読んでいると、取り上げる頻度や記事の大きさなどから〝日経の推しどころ〟に気づきます。僕は海外事業に関わっているので国際面は外せません。ほかにも、企業面、政治面、経済面は普段から注目していますが、化粧品や生鮮食品など自分では興味がなくても今抑えておくべき情報が入ってくることがあるのも、紙ならではだと思いますね。
永友
私は「タップル誕生」というマッチングアプリのプロダクトマネジャーをしているので、アプリ関連の記事は必ず読みますが、確かにWeb上のニュースでは見出しで惹かれない記事はまず読もうと思わない。新聞なら記事が大きければ必然的に目に入りますからね。
荒井
弊社の経営本部長が、「今はニュースが自分を追いかけてくる時代」と言っていたことがありました。自分から追いかけるものを読んでおかないと、自分の思想がターゲティングに汚染されてしまうと。まさに、自分の気になった記事しか読まないというのは、その通りですよね。興味の有無に関わらず、情報を網羅できるという点は紙面の良さなんじゃないかと思います。

社内プロジェクトが習慣化を後押し。継続が会話や情報力につながる

中村
新聞購読の習慣化には、荒井さんが立ち上げた「YoMoCA」のプロジェクトも役立ちました。社内で5名ほどの非公開のグループを作り、新聞の中から毎日1人1記事をピックアップ。考察、予測も添えてシェアする試みですが、そこでアウトプットをするようになってインプットをより大事にするようになりました。他のメンバーが別の関連する記事を上げてくれることもあって、けっこう盛り上がっていますよね。
荒井
最近では、やはり改憲やオリンピック、新型コロナは話題にのぼりやすいですね。どの投稿も、投稿した本人よりもその分野に詳しい人がいて、その人がその情報をより詳しく書いてきて(笑)。すごいと思うとともに、危機感も生まれます。知識欲という点で、社内にいい循環が生まれているという気がしますね。
永友
アウトプットといえば、私も部署内で、始業時間の30分ぐらい前に集まって日経の「読み会」を開いていたことがあったんです。グループで気になる記事について話していると、職種などによってさまざまな視点があって面白い。そうした意見を交わし合う時間が興味深くて、日経を読む習慣化にもつながったのかなと思います。継続して読んでいると、当初の目的である決算書がスムーズに読めるようになったというのは収穫でした。
中村
僕も、継続は力になると思っています。例えば金融政策の話など、その日1日読んでいても分からない情報は多いですから、毎日読んで知識を蓄積することで、お客さんと話をしている時にも情報の幅や会話量が広がっているのを感じるようになりました。
荒井
日本の企業の業績の数値化の解像度が上がった気もしますね。株価や営利、組織の規模など、概算の数値が頭に入ってきたのが大きいですね。それと、トリビアが増えましたね。僕は立場上、お客様との会食も多いですが、情報をくれる相手だと思ってもらえないと次に会う機会をいただけませんから、芸術でも文化でも健康でも幅広いジャンルでコメント力がついてきたのは新聞の力が大きいですね。まだよちよち歩きですが、日経を読んでいて当たり前という人が今の経済を動かしているのは事実ですから、そのぐらいの感覚で読みたいし、後輩たちにも勧めたいと思っています。

Interviewee

株式会社CyberZ 局長
中村 俊介 (29歳)

20代の若手社員の育成を目的としたプロジェクトYMCAの理事。
同プロジェクトでも日経が共通ツールに。入社7年目。

株式会社マッチングエージェント
プロダクトマネージャー
永友 絢子 (26歳)

新聞はバスでの45分の通勤時間を利用して読むのが日課。
日経はアプリ開発の業務上、不可欠だという。入社5年目。

株式会社サイバーエース 社長室長
荒井 俊一 (29歳)

通勤時間15分で1面を熟読。
広報、育成などを統括する役割から、「日経をどう読むか」が常に課題だと話す。入社4年目。

役職等は2020年7月1日現在のものです